7thアルバム『LOVE ALBUM』レビュー byよしもとばなな


8thアルバム『本日は晴天なり』の発売を記念し、7日間連続で、サニーデイの今までのアルバムについて、いろいろな方々に書いて頂いたレビューを紹介していく<サニーデイ・サービス review week>!
本日最終日のレビューは、7thアルバム『LOVE ALBUM』をよしもとばななさんに書いて頂きました!


サニーデイ・サービス
『LOVE ALBUM』

2000年9月20日 発売  MDCL1393
¥3,150


1. INTRO
2. 夜のメロディ
3. 胸いっぱい
4. 万華鏡
5. 恋は桃色
6. INTERLUDE
7. 魔法
8. LET’S MAKE LOVE
9. パレード
10. うぐいすないてる
11. 愛のシーン
12. OUTRO
13. WILD WILD PARTY




「ラブ・アルバム」



愛に続いていかない恋は確かにある。
恋は終わる。あるいっときだけで終わる。
ふたりともそのことがわかっている。
だから一瞬一瞬がかけがえのない時間だ。
まばたきもおしいくらい、まつげについてる涙もぬぐえないくらい。


そのことがこんなにいっぱいつまっているアルバムはこの世にほかにないかもしれない。


奈良美智さんがドイツから帰ってきたばかりのとき、アトリエに行ったら、
このアルバムが大音量で流れていた。
彼は向こうでのなじんだ生活全部とお別れして、なにもない日本での出発。
私は奈良くんとも友達だった元の彼氏と別れて、違う人と結婚して白紙からの出発。
友達同士、なにも言わなくてもお互いにとほほだね、と思っていた。
その気持ちにこのアルバムの全部の曲がむちゃくちゃしみてきた。
それも全部、永遠に続く青春の一場面だったけど。



よしもとばなな